20190127 インフラ勉強会合同誌の表紙イラスト覚え書き
みなさまこんにちは。
はてな20個目の記事は、インフラ勉強会合同誌のイラストに関するお話です。
どちらかというと、わたし自身の覚え書きになりますが、本作りに関連するので、もし技術書典などで本を作られる際の、なにかの参考になれば幸いです。
- お話をいただいたこと
- ラフのやりとり
- 作画はCLIP STUDIOで開始
- まずはイラストのみ見てもらう
- 表紙・裏表紙の案
- GitLabのissueを使わせてもらう
- 紙の打ち合わせ
- ページ数に合わせてテンプレートで調整
- 最後まで心配...
- 手元に届きました!
- まとめ / ふりかえりなど
お話をいただいたこと
インフラ勉強会は、昨年の秋口からますます直に参加することが少なくなってしまい、申し訳なく思いながら、なんとか生き延びておりました。
そんな折、佐々木さんから表紙についてのご連絡を頂戴しました。
時期的には、技術書典後の脱力をしていた10月半ばでした。
イラストや絵の雰囲気は、もちろん色々描かれる方のカラーがあるので、「わたしのような手書き中心で、ほわんとしたタイプで大丈夫だろうか?」という不安もありました。
それでも声をかけていただけたのは非常に嬉しいことでした。
(本当にありがとうございます!!)
ラフのやりとり
お話を頂戴し、そのあとすぐに作業連絡用のSlackに参加させていただきました。
お一人様技術書典ではかなり無茶なことをしていましたが、今回は合同で進めていらして、スケジュールの大枠も決まっていた状態。
わたしとしても、とても安心感を持って入らせていただきました。
(逆に、本来はこれくらい前からきっちり考えて進めるのね...という自分のダメっぷりも自覚いたしました)
さて、この時点ではイラストのみの想定で、とりあえずほんとに鉛筆でのラフを描いて、Slackで共有してみました。(11月初旬)
なお、わたしが利用していたのはOneDriveです。
どんな絵がいいのかやはり悩み、この時点では、
- (わたしができる範囲での精一杯の)「可愛めの女の子のソロ」
- 「インフラ勉強会の話題にちなんだことを織り込んだ小人さんたち」
の2案くらいしか出せませんでした。
この記事にキャプチャを添えていますが、上段の2枚になります。
「表紙が上がってくると執筆のみなさんのモチベーションも上がる」と、技術書の作り方のイベントで教えていただいていたので、ちょっとでもそこにプラスになればと思った次第です。
Slackで簡単にvoteいただいたところ、2の小人バージョンで進めることになりました。
雰囲気的にも、「ややごちゃっとした感じ」のいつものスタイルです。
やはり好き嫌いが心配でしたけれど、選んでくださったみなさんのご意見を信じて、線画を起こすことにしました。
作画はCLIP STUDIOで開始
さすがに線画はデジタルでないと厳しいので、持っているClip Studio + タブレットでの作業としました。でも、わたしはまだペンタブは慣れておらず、線画作成も一苦労...。
ペンタブの場合は、「PC画面を見て操作」が基本というのをここで改めて感じました。手元を見て書くのではないので、どちらかというと「遠くを見て書く」感じ、リモコン的な操作という感です。(これは書き続けるしかない!)
また、「デジタルで作画する方々は、技術習得をしているということも、その方の価値の大事な一つ」という考えを新たにしました。
結局のところは、手書きに近い線のブレとか強弱を出したかったり、レイヤーまわりも色々試して覚えることができたので、何につけても有難い機会となりました。
まずはイラストのみ見てもらう
11月下旬に、線画から着色したものをご提示。添付の図の中断右から下段になります。
クラフト紙の風合いにしてみたいな....というわたしの勝手な希望で進めさせていただきました。
この時点では紙質を選んでいない状態だったので、少し濃いめになっています。
表紙・裏表紙の案
イラストがだいたい固まったところで、表紙裏表紙どうしましょうか...というお話になったのが11月最終週。
この時点でもまだ余裕はあったので、僭越ながら表紙裏表紙のたたき台を作って、みなさんに見ていただきました。
なお、ここでのイラスト以外の配置仮作成は、PowerPointでした。
PowerPointでも作成できないことはないのですが、今回は冊子にも厚さがあり、背表紙部分が必要なこと、色はもちろんRGBでなくCMYKでないといけませんので、最終的にはCLIP STUDIOでの作業になっています。
GitLabのissueを使わせてもらう
合同誌は、ソースコード(原稿)はGitLabのリポジトリに登録し、適宜CIでビルドしてPDFを生成するといった形を取られていました。
私は原稿は関与しなかったのでコミットは無かったのですが、この場に便乗して表紙用の文言を詰めるため、GitLabのissue(課題管理) を利用させていただくことにしました。
質問にご協力くださった、長村さん、かめねこさん、ありがとうございました。
結果的にはissueを利用したのは、わたしの1件のみだったみたいです。
なお、実はGitLabを使うのは初めてだったので、おかげさまで色々と拝見することができました。CIも機能の1つに組み込まれているというのは、改めての驚きでした。
紙の打ち合わせ
さて、12月に入りまして。
本の紙質(表紙、本文)を確認したいということで、かめねこさんが日光企画様に直接行かれるとのこと。
わたしも色合いが気になるので、日光企画様での打ち合わせに同席させていただくことにしました。
そもそもこうした印刷所・印刷会社様へのご訪問も初めてなので、中に入ると色々な紙の見本、冊子、グッズがあり、確かにこれはテンションがあがります!
わたしは単純に「表紙は白の光沢紙かな?」と思っていたのですが、かめねこさんが色々と本の読みやすさ、手にした質感を考えてくださっており、こちらも踏まえて有難い経験をさせていただきました。*1
ページ数に合わせてテンプレートで調整
日光企画様との打ち合わせにて、表紙のデータの注意点などを伺いました。
こちらを踏まえて、最終的にはCLIP STUDIO形式のテンプレートを使って、表紙裏表紙のデータを作っていきました。
以下の図のように、ページ数に応じて背幅が変わるので、最終的なページ数が確定するまで、何度か背幅と左右の塗り足しを調整したりしました。*2
最後まで心配...
ページ数が確定し、それに合わせたデータを提出後は、ひたすら待つばかりです。
CMYKでのデータにしてのお渡しで、このあたり本当に自身がありませんでした。
Twitterでは、なんども「いい色出ますように...」とつぶやいているわたしがおりました。
それにつけても、小人さんたちが良い色出てますように…😭😭
— たかのあきこ@devsumi15-D-6 (@akiko_pusu) January 24, 2019
出禁になりそうで心配です。
なにとぞなにとぞ。
とくに気にしていたのが、パトランプカラーのタイトルと、背景の小人さんたち。
パトランプはキツくならないように、でも、黄色が浮かないように。
背景の小人さんたちは、透かしくらいのほんのり感で印刷に出てくれるように、濃さをどこまでにするか(実は)瑣末なことかもしれませんが、わたしにとっては悩みのタネでした。
こうしたことを踏まえても、本を作られる方々、絵を描かれる方々はすごいと感じた次第です。慣れている、お仕事でなんどもされている方にとっては、悩むことではないのかもしれません。その上で、わたしに関しては、最後までかめねこさん、みなさんにもご心配おかけしたと思います。
本当に恐れ入ります.....。
手元に届きました!
インフラ勉強会のイベントは、参加をもちろん予定していましたが、本の仕上がりが気になってなかなかお家を出ることができませんでした(本当に)。
かめねこさんや悠さんが、準備中でお写真を上げてくださって、すくなくともパトランプカラーが蛍光やキツイ色になっていなかったのを確認して、ほっと一息。
家事もろもろで会場には遅れての参加になってしまいましたが、無事に3冊頂戴しました。
「背幅に合わせて文字もうまく収まった!」
「裏表紙の線画のうっすら加減が、ちょうどよかった!」
「黄色もマスタード色くらいの落ち着き加減だ!」
こんな思いで、ほっとしながら席についたときには、ゆたかさんのお話が始まっておりました...。
まとめ / ふりかえりなど
実のところ、じっくりと本文を読むのは手にしてからが初めてでした。
読み進むにつけ、佐々木さんはじめみなさんの想いの詰まった本ということを、ずっしりと受け止めています。
果たして、こうした想いやイメージに沿うことができたでしょうか。
今回の件に関しては、改めて声をかけてくださった佐々木さん、ひろさんをはじめ、時折絶妙なタイミングで様子を聞いてくださった悠さん、印刷所にお供させてくださったかめねこさん、イベント対応に関わったみなさま、本当にありがとうございました。
10も20もお若い方々の中で、チャレンジの場を頂戴できましたこと、心よりお礼申し上げます。
* * *
なお、インフラ勉強会のイベント当日のセッションでも、ゆたかさん、あまねさん、湊川さんといった執筆を重ねていらっしゃる方々のお話も伺えて、もちろん充実した時間を過ごさせていただきました。
ひよこ大佐さん、なつよさんのお話にもまた、こんな時代になったのだ...という想いや刺激をいただくことができました。
執筆やイラストレーションの環境といった、一見ITとは違う印象がある分野にも、確実に技術の応用や恩恵が入ってきていると感じた出来事でした。
こちらについては、また別途、感謝、感想の記録を残して置こうと思います。